Q 40歳代の女性です。くしゃみした瞬間に尿が漏れるような感じがします。原因など教えてください。
A 男女とも年を重ねると、意識しなくても尿が漏れる(尿失禁)ことがあります。
女性の尿失禁には、咳(せき)や、くしゃみ、走る、階段をおりる、飛び跳ねるなどによる尿漏れ
「腹圧性尿失禁」が最も多く、
日本泌尿器科学会の報告によると週1回以上経験している女性は500万人以上と推定されます。
実際に悩んでいる方は多いのですが、恥ずかしくて我慢しているケースがほとんどです。
その他、突然強い尿意に襲われる尿意切迫感が起こり、トイレに間に合わずに漏れてしまう「切迫性尿失禁」や
腹圧性と切迫性の両方の要素がある「混合性尿失禁」などもあります。
これらは加齢・出産・閉経などにより骨盤底筋群の緩みが原因です。
骨盤底筋とは骨盤の底部を覆うように膀胱や尿道・直腸などを支える筋肉群のことです。
女性の場合、子宮や膣、膀胱、尿道、直腸といった臓器をハンモックのように支えています。
これが緩むと臓器が下がり、膀胱が圧迫され尿漏れをしやすくなるのです。
骨盤底筋の緩みによる症状は尿漏れだけではありません。
内臓が下がるので、下腹の「ポッコリお腹」の原因にもなりますし、
「腟のゆるみを感じる」といった膣の圧力の低下も引き起こします。
その他の尿漏れとして、ちょろちょろと尿が少しずつ漏れ出してしまう「溢流性尿失禁」があり、
これは男性の前立腺肥大症や前立腺がんが原因です。
男性と女性で尿漏れの症状・原因が異なるので疾病鑑別も大切です。
女性の尿漏れで最も多い「腹圧性尿失禁」の治療は、軽症であれば「骨盤底筋体操」、
効果がない場合は手術が一般的です。
しかし骨盤底筋運動一人で毎日続けたり、骨盤底筋を意識したりすることはなかなか難しいのが実情です💦
「切迫性尿失禁」に対しては薬物療法や行動療法が一般的です。
次回はささゆりでご提供している低侵襲な治療についてお話しします🌱