ささゆりヘルスクリニック

2025年5月21日

【女医が解説】「酒さ」って何?慢性的な赤ら顔の正体と治療法まとめ

【女医が解説】「酒さ」って何?慢性的な赤ら顔の正体と治療法まとめ

こんにちは。ささゆりヘルスクリニックの前原です。

「いつも顔が赤い気がする」「頬や鼻だけほてってつらい」「市販の敏感肌用スキンケアでも治らない」…そんなお悩みをお持ちの方、それはもしかすると【酒さ(しゅさ)】かもしれません。

皮膚科でも美容クリニックでも、意外と見逃されがちですが、実は日本人にも多いこの疾患。今日はそちらをわかりやすく丁寧に解説していきます。

 酒さとは?【赤ら顔の代表的な病気】

酒さ(rosacea)は、慢性的な顔面の赤みや毛細血管の拡張、時にニキビ様の発疹を伴う皮膚疾患です。主に30〜50代で発症し、特に色白・敏感肌の女性に多い傾向があります。

【疫学】

• 世界では成人の約5〜10%が罹患(欧米に多い)

• 日本では軽症例を含めると**有病率は約1〜2%**程度と推定されています

女性に多いが、男性は重症化しやすい傾向も

 酒さの見た目と分類

症状は人によって異なりますが、主に以下の4タイプに分類されます:

 原因と悪化因子:なぜなるの?

酒さの明確な原因はまだ完全には解明されていませんが、以下のような因子が関与すると考えられています:

皮膚のバリア機能の低下

毛細血管の過敏性

Demodex(毛包虫)というダニの関与

慢性炎症と免疫反応の異常

【悪化因子(増悪因子)】

• 紫外線(UV)

• 温度変化(熱い飲食、サウナなど)

• アルコール、カフェイン、香辛料

• ストレス、月経前

• 間違ったスキンケア(ピーリングのしすぎ、刺激性化粧品)

 酒さの治療:自宅・保険・自費、できること全部教えます⭐️

● 自宅でできるセルフケア

紫外線対策:SPF30以上・PA+++の日焼け止めを毎日

低刺激スキンケア:アルコール・香料・界面活性剤フリーがおすすめ

温冷刺激を避ける:熱い飲み物、辛い食べ物、長風呂を控える

保湿重視:ヒト型セラミドやナイアシンアミド配合の美容液が有効なことも

● 保険診療でできる治療

外用薬

• メトロニダゾール(抗炎症作用)

• アゼライン酸(欧米では第一選択、国内は薬事未承認だが個人輸入可)

• イベルメクチン(ダニ抑制・炎症軽減)

内服薬

• テトラサイクリン系抗生物質(ドキシサイクリンなど)

• ミノサイクリン(炎症性丘疹が強いとき)

漢方薬

• 桂枝茯苓丸や温清飲など、体質に合わせて処方されることも

● 美容クリニックでの自費治療(保険外)

IPL(光治療)

→ 血管拡張・赤みに効果。複数回で改善を目指します。

Vビーム(色素レーザー)

→ 拡張した毛細血管にピンポイント照射。高い赤み改善効果。

マイクロニードルRF

→ 炎症性ニキビや脂性肌を伴う場合に、皮脂腺の熱変性が有効。

トラネキサム酸やナイアシンアミド配合のメディカルコスメ

→ 慢性炎症抑制・美白・バリア回復に有効。

 まとめ:赤ら顔、あきらめなくて大丈夫

酒さは一見すると「ただの敏感肌」「大人ニキビ」と誤解されがちですが、正しく診断し、適切な治療とケアをすればコントロールできる疾患です。

特に女性は、「毎日メイクで隠す」のがストレスになってしまう方も多いので、ぜひ気になる症状があれば早めにご相談ください。

当院では、保険診療と自費診療の両方から最適なアプローチをご提案しております。お肌の赤みにお悩みの方は、お気軽にご予約ください。

ご予約・お問い合わせについて

恐れ入りますが当クリニックは完全予約制です。
初診と再診でご予約の際の電話番号が異なりますのでご注意ください。

前原医師の画像

監修医師

医療法人仁由会 理事/日本ウェルネス再生クリニック 副院長

前原律子Ritsuko Maehara

2014年 神戸大学大学院医学研究科 博士課程 入学
2016年 神戸大学大学院医学研究科 博士課程 修了
2016年 医療法人前幸会 ささゆりヘルスクリニック 開院
2020年 医療法人仁由会 日本ウェルネス再生クリニック副院長就任